自民・維新がカジノ解禁を強行採決
大阪にカジノは必要ですか?
- ●大阪小選挙区選出の国会議員 で、カジノ反対は辻元だけ!
大阪にカジノを誘致したい大阪・維新が主導して、安倍総理の「憲法改悪」に協力する見返りに、カジノ誘致を含むIRを推し進めているのではとの声もある中、自民党が維新と組んで、カジノ解禁に突き進んでいます。
現在、刑法はカジノを含む「賭博」を禁じています。しかし12月2日、民間業者が運営するカジノを例外的に合法化しよう、という法案が、私の所属する内閣委員会で強行採決されました。
しかも、大阪10区(高槻・島本)の国会議員3人が衆議院・内閣委員会に顔をそろえたのです。私だけが反対、自民・維新の男性議員2人は賛成です。ここで気づいたのですが、大阪全体の小選挙区選出議員19人のうち、カジノに反対なのは私だけ、ということなのです。
カジノの問題は、私が政府で観光立国を推進していたときから、ずっとくすぶっていました。カジノは一定の経済効果はあると言われていますが、マカオや韓国では行き詰っているようです。
また、日本がマネーロンダリングの温床になるのではないか、暴力団の進出があるのではないか…と様々な負の側面が指摘されています。維新は大阪にIRを誘致しようとしていますが、こんな悪影響が出たら大阪は大変な事になるのでは、と心配です。
厚労省の調べでは、日本にはギャンブル依存症といわれる人たちが536万人いますが、対策はほとんど講じられてきませんでした。推進派は「カジノで得た収益を対策予算に充てる」というのですが、そのために新たな依存症患者を増やすというのは本末転倒です。
- ●ギャンブルに起因する犯罪 は年間1000件
カジノとは関係ない住民や子どもたちにとっては、治安の心配もあります。現に、ギャンブルに起因する犯罪は年間1000件、月30件以上もあるそうです。読売新聞が大阪で行った調査では、カジノの誘致については賛成33%、反対52%と強い拒否感が出ました。
国会の手続きとしても、大きな問題があるのです。今回のカジノ法案は、政府提出法案ではなく議員立法です。議員立法を審議するときは「採決は全会一致」という、何十年もかけてつくってきた国会の絶対的なルールを、今回、自民・維新は平然と破りました。しかも、警察庁などの関係省庁や有識者、依存症の当事者団体など、参考人として話を聞くべき人もよばず、わずか5時間33分の質疑で強行採決したのです。しかも、自民党は連立相手の公明党にすら十分な議論の時間を与えず、採決につきすすみました。憲法議論がこんな状況になったら、と私は懸念しています。
- 日本の良さが壊されていく
安倍総理は日本を「美しい国」にしたいと訴えていましたが、カジノや武器輸出で経済成長させようという国を「美しい」と言えるのでしょうか。TPPや原発輸出しかり、日本が大切にしてきた価値を、風景を、壊そうとしているとしか思えません。
ギャンブルのもつ負の側面に目を向けず、「金さえもうかればそれでいい」といわんばかりにカジノ解禁を推し進める自民・維新。私は、この法案を廃案にするために最後まで闘います。大阪にカジノはいりません。「健全なカジノ」などありえないのですから。
年金法案が強行採決され、高齢者の医療負担も大幅に増えます。また、長時間労
働の規制も急務です。そうした生活課題こそ、いま政治が最大限にエネルギーを注ぎ込んで議論すべき問題です。