大阪にカジノはいりません。年金、教育こそ成長戦略の柱です。
- ●日ロ首脳会談も領土交渉は進展ゼロ
日ロ首脳会談について自民党の二階幹事長は「何の進歩もなくこのまま終わると言うんだったら、いったいあれは何だったんだ」「国民の皆さんの大半はがっかりしている」と発言しました。
私も同感です。3000億円の経済協力だけを約束させられ、領土問題は一歩も前進せず。政府はこの半年間、莫大な政治的エネルギーを北方領土問題に傾けてきたのに、です。
プーチン・ロシア大統領は、シリアを爆撃して多くの子どもたちの犠牲者が出ています。クリミア併合でも国際的な非難を浴びています。EU・アメリカのロシアへの経済制裁の延長が決まったこのタイミングでの「実質的な経済協力」というのは、日本の国際的孤立を招きかねないのではないでしょうか。
また安倍総理は、11月に大慌てでトランプ氏にも会いに行きました。トランプ氏が反対するTPPの強行採決につき進み、いったい何がしたいのかさっぱりわかりません。
年末には「戦後はじめて現職総理が真珠湾にいく」という報道がありましたが、実際には1951年に吉田茂首相が行っていて、初めてではなかった。
そして、オスプレイの事故からわずか1週間で、「不時着」と言いはった稲田防衛大臣が「全面飛行再開」を許す始末。
いったい安倍総理の掲げる「地球儀を俯瞰(ふかん)する外交」とは何だったのでしょうか。
年金や子育て支援の財政は厳しいと言っておきながら、「世界中に莫大なお金をバラマキに行ってるだけじゃないの?」という声が広がっています。
- ●日本の良さが壊されていく
さて大阪にカジノを誘致したい大阪・維新が主導して、安倍総理の「憲法改悪」に協力する見返りに、カジノ解禁を強引に進めています。
カジノや武器・原発の輸出で経済成長させようという国を「美しい」と言えるのでしょうか。日本が大切にしてきた価値を、風景を、壊そうとしているとしか思えません。
「金さえ儲かればそれでいい」といわんばかりにカジノ解禁を推し進める自民や維新。大阪にカジノはいりません。 大阪での小選挙区選出の衆議院議員19人のうち、カジノに反対したのは私だけですが、私は最後までたたかいます。
- ●都合のいいデータで試算された年金予測
年金問題も、ずっと追及してきました。今国会、民進党の「年金カット法案の新ルールを適用したらどうなるか示せ」という求めに対し、政府が出してきた試算がヒドイ。「現役世代の将来の基礎年金の水準は7%程度(基礎年金5千円)上昇」とありますが、これは政府に都合のいい経済前提が続くと仮定したものです。このことをマスメディアは報じません。
私が、政府に質問した結果、政府が試算に使っている指標が、実際には想定を大幅に下まわっている事をつきとめました。政府試算には、「今からバブル期の成長が何年も続く」なんていうばかげたものも含まれていたのです。ありえない試算を示して、「だからカットしよう」というのは国民をだましています。私は、「現実に即して試算し直せ」と求めましたが、政府は逃げたまま「年金カット法案」を強行採決したのです。
このままでは将来世代の給付も危ない。すべての世代が安心できる年金制度の制度設計をごまかさずに作り直すべきです。
私は、まず子どもの教育費などの負担を減らすべきと考えます。教育費の心配がなければ、子育て世代の消費はもっと伸びると思うのです。
同時に、長時間労働を規制して、ワーク・ライフ・バランス※(ワーク「仕事」とライフ「仕事以外の生活」を調和させ、性別・年齢を問わず、誰もが働きやすい仕組みを作ること)を整えることも重要です。私たちは、長時間労働を規制する議員立法を提出し、国会で議論するよう求めてきましたが、自民・公明の与党が議論に応じず、いまだ審議されていません(提案を出しているのに、安倍総理は「野党が対案を出さない」と言っています)。
国会が閉会しても、日本の抱える課題は変わりません。しっかり取り組んでまいります。