つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)

活動報告・国会質問・質問主意書

憲法審査会で「象徴天皇制と平和主義」について意見を述べました

2017.6.8

国会ブログ

6月8日、衆議院憲法審査会が開かれ、憲法第一章(天皇)について討議が行われました。

私はこれまでに文書でも述べてきましたが、この日の自由討議で、象徴天皇制と平和主義について以下の発言をしました。

また私の発言ののち、保岡興治・自民党憲法改正推進本部長からも「辻元議員の発言に触発された」として、やはり象徴天皇制と平和憲法についての発言がありました。

 

この日、自民党の委員からは「9条議論」に誘導するような発言がたびたびありました。どうしてもそこに持っていきたいのでしょうが、野党4党首が会談で「安倍政権下の憲法9条の改悪に反対する」と一致しました。ぎりぎりの攻防が続きますが、引き続きがんばります。

(文字おこし・辻元事務所)

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本日は象徴天皇制についての私の考えの変遷と、特に象徴天皇と平和主義との関係について意見を申し述べたいと思います。
30年ほど前、私が学生のときに、さきほどご指摘があったような発言をし、天皇制に疑問を抱いたことがございます。
それは、戦前の天皇と戦後の天皇のありかたについて疑問を持っていたからなんです。
戦前の天皇制のもと、戦争で多くの若者が亡くなりました。私は自分の祖父も、太平洋の南の島で戦死しているんですけれども、天皇陛下万歳、ということで戦死したのか、というような割り切れない思いから、天皇制について疑問を抱いたのは事実です。
その後、私はこの思いを、土井たか子さんに聞いていただきました。土井さんからいろんなことを学び、戦後、日本国憲法のもとで日本は生まれ変わった、戦争放棄の国民になった、そして憲法に規定されている象徴天皇をしっかり尊重しなければならない、そして平和主義と象徴天皇制の関係、多くのことを学びました。
私は、自分の考えが一面的だったと痛感をし、そのとき深く反省をいたしました。その後さまざまな立場の方達とも議論を積み重ね、この象徴天皇の歴史的な背景や、立憲主義の大切さ、そして国会議員が憲法尊重擁護義務を持つことの重みを噛み締めるようになりました。

天皇皇后両陛下は、アジアの歴訪の際、慰霊をされます。このときに、特に私は感銘を受けるのは、日本の、私たちの先人の慰霊だけではなく、現地の人たちの慰霊もされるということです。
昨年、フィリピンを訪問された折に、フィリピンの市民の慰霊を先にされたんです。ちょうど1月27日にフィリピン人の犠牲者の無名戦士の墓を慰霊され、そして1月29日に日本人の戦没者の碑を慰霊されています。そのときに「先の大戦で、フィリピンが日米の戦場となり、多くの市民が犠牲になったことについては、私ども日本人が決して忘れてならないこと」とお述べになりました。私は非常に感銘を受けました。そんなさまざまな、象徴天皇としてのご公務やお務めを拝見するに至り、私は今の天皇皇后両陛下が、象徴天皇のありかたを模索してきたんだというご発言をされたこと、この重みをしっかり受け止めなければいけないと思っています。
そんな中で、この日本国憲法の、特に平和主義の理念を体現するんだ、という私は強い決意を両陛下から感じております。
戦争という壮絶な体験のもと、天皇皇后両陛下をはじめとする先人達が、どんな思いで、どんな戦後を作ろうとしてきたのか、私は自分の祖父の戦死から、さまざまなことを考えてきましたけれども、多角的な目を持って、私たちは象徴天皇制についてのありかたを議論しなければならないなあと思っております。
そして、あまたの犠牲から生まれた日本国憲法の価値をしっかり次世代に受け継いでいくというような思いも、私は今の天皇皇后両陛下から感じております。
そういうことも踏まえまして、象徴天皇制と平和主義の関係について議論を深め、過去の戦争のようなことが二度とないようにしているということを、本審査会でも提起させていただいて、私の個人の変遷と、そして現在の関係を述べさせていただきました。ありがとうございました。

20170608